まちづくり情報

中野の向かう道(未来に向けて)

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20150328_161116中野区は、都心に近く利便性の高いまちとして人口が増加し、特に第二次大戦後は、区内に社宅•舎等が多く建設されるとともに、地方から東京への若年人口流入の受け皿として低廉な木造賃貸住宅が大量に供給され、住まう場所としてまちが成熟してきた。若い頃に地方から東京へ出てきて、最初の住まいが中野区であった人も数多い。しかしながら、例えば中野区の人口は23区中13位であるが、事業所数は23区中21位、従業者数は22位であるなど、都市活力向上への取り組みが不十分であった。更には、中野区内の道路総延長の約半分は幅員4m未満の狭あいな道路であり、木造住宅の比率も23区全体では38%であるが、中野区では46%であるなど住宅の不燃化が進んでおらず、人口密度も全国最高レベルの平方キロメートルあたり2万人であるなど、首都直下地震等の災害に対する脆弱性が大きな課題である。したがって、今後の中野のまちづくりの大きな方向性は二つ、すなわち、街の活性化と災害に対する安全性の確保であるが、これらについては、中野の未来に向けた取組がすでに始まっている。

まず、街の活性化については、平成24年、かつて警察大学校等跡地と呼ばれていた中野駅北側の広大な空間がオフィスビルや大学など先端的な都市機能と、防災性を兼ね備えた豊かな緑やオープンスペースからなる「中野四季の都市(まち)」として生まれ変わり、一日約2万人の人々が新たに行き交う街となった。これを契機として、中野駅の周辺では今後も様々な街づくりが展開され、中野駅周辺のにぎわいが中野区全体に影響を与えることになる。また、災害に対する安全性の確保についても、区内で特に住宅の密集度が高い弥生町と大和町の一部区域について、東京都の不燃化特区制度を活用し、防災まちづくりがスタートしている。今後、中野区でも少子高齢化が一層進展するとともに地球温暖化の深刻化なども大きな課題となってくる。これら新たな課題に向き合いながら、都心に近い立地を生かし、活力があり安全な街を目指して、まちづくりを進めなければならない。

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