創業200年を超える清水建設。その中に構える技術研究所http://www.shimz.co.jp/theme/sit/は1944年(昭和19年)戦時中に設置され、わが国の建設技術の進歩に大きな役割を果した。今回は越中島にある技術研究所を視察する機会を得ることが出来たことは誠にラッキーとしかいいようがなかった。ともかく、世界最先端の建設技術の粋を集約した施設なので一年中視察者来訪の連続なのである。その中にあって予てより視察申し込みをしていたところ、幸運にもキャンセルが発生し視察に至った次第である。
様々な研究棟が立ち並び研究所であるが、何と言ってもここの目玉は昨年4月始動した『先端地震防災研究棟』である。研究所の資料によれば、「ソフト技術(リスクを知る)、ハード技術(リスクに備える)、スキル向上(地震発生後の対応)、の3つの視点から「ワンランク上のBCP」を目指す研究開発の拠点です」と位置づけている防災研究棟なのである。また、世界屈指の性能を誇る大型振動台「E-Beetle」と大振幅振動台「E-Spider」を備え、地震の実験•計測や解析を一体的に推進してる。
早速振動台にヘルメットを被り様々詳細な諸注意を受けてチャレンジ。24階の高層ビルを震度5強の地震が発生した時の揺れを想定し体験させていただいたが、筆舌に尽くし難い揺れが暫く続き、地震がおさまった後も免震構造が齎す揺れが10分程度続く状態は、大海原の中で嵐に遭遇した大型船が揺れている感覚にほぼ近いもの(遊園地アトラクションのバイキング状態)があった。3•11東日本震災時に東京の震度が5強。あの強い揺れの中、タワーマンションの我が家に居合わせた息子から聞かされた揺れの恐怖に納得した次第。
研究所内の視察を終えた後は中央区京橋に構える清水建設本社ビルhttp://www.shimz.info/HQoffice/。4年前に竣工した超近代化されたハイブリッドビル。特に職場環境面への配慮は他の追随を許さず、自然エネルギー発電装置、空調システム、照明ルクス等のプログラミングは勿論のこと、本社ビルの熱エネルギーを供給しているエリア内のエリアマネジメント(京橋スマートエリア協議会)等、地域を包含した配慮も怠りない。また、ハード面でも免震構造装置やオイルダンパー装置の設置による地震発生時の揺れの吸収。2階にある600名収容(本社ビル内就業者2000名)のレストランに大災害発生時の災害対策本部機能設置や帰宅困難者対策等々、これまたわが国最先端のハイブリッドビルの防災面での地域貢献を目の当たりにした次第。
終わりに、意義深い視察を受け入れて下さった清水建設本社関係各位に感謝の意を表す次第です。