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公開質問状「もうすぐ区長選 #子育て政策聞いてみた 候補者政策アンケート」へのご回答 #市川みのる #なかのdeチャレンジ

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先般頂戴した公開質問状「もうすぐ区長選 #子育て政策聞いてみた 候補者政策アンケート」にお答えいたしました。

 

1.待機児童について

中野区ではH29年4月時点の待機児童数が375名と区から発表されています。しかし、認可外保育施設を利用する人が451名、特定園のみ希望している人212名は、この375名の中に含まれておらず、さらに認可保育園の申込み自体を諦めている保護者も相当数いると言われており、待機児童には未だ多くの課題が残されていると考えられますが、待機児童についてのお考えや、区の待機児童対策についての評価をお聞かせください。

ご回答

全国で最低レベル(1.0を切る)の出生率である中野区では子育て政策の充実が急務であありますが、その中でも待機児童問題の解消は優先順位の最も高い課題であるといっても過言ではないと考えます。

つまり今後中野区が子育てしやすいまちへと変貌するためには「待機児童ゼロなかの」を行政だけでなく区民の皆さんと一緒に作っていく必要があります。

中野区は今年4月に0-2歳児対象の暫定保育園を7カ所整備し開園しましたがいざ募集してみると定員割れを起こしました。大きな原因のひとつに実態に伴った調査が大きく不足していたことが考えられます。これでは1,000人に定員を増やすという掛け声も実態を反映するとは到底思えませんので、決して評価できるとはいいがたい状況であると考えています。

2.母子健康手帳交付時等の保育ニーズ調査について

潜在ニーズも含めて住民の保育需要をより正確に把握するため、母子健康手帳交付時や出生届提出時に保育ニーズを調査する取り組みが考えられます。実際に母子健康手帳交付時の調査を東京都の豊島区は始めています。この保育ニーズ調査についてのお考えをお聞かせください。

ご回答

保育ニーズ調査は重要と考えますが、マクロのニーズ調査とミクロのニーズ調査をはっきり分けたうえで調査及び結果の活用を進めるべきと考えます。

ある程度全国的に共有できるもの(スタッフの人柄や信頼性、施設の安全性など)については厚生労働省や東京都の調査も参考にはなりますが、地域で差が出るようなもの(利便性や保育料金など)については地域の特性などを十分に反映したものでなければなりません。

特に待機児童問題は首都圏など都市部に多くみられる問題であり、調査における利便性などの問題も公共交通機関の発達度合いや車移動が盛んか否かなど細部にわたった調査の分析が必要となることも考慮しなければなりません。

中野区においても積極的な保育ニーズ調査の実施、活用、また制度の変更等で弾力的かつ利用者側に立った保育行政を遂行すべきです。

3.保育施設の不足について

待機児童問題は保育施設の不足が大きな原因の一つですが、今後保育施設を増やすためにどのような施策を講じていくことを検討していますか。またその優先順位についても考えをお聞かせください。

ご回答

保育園そのものを作ることも重要ですが、利便性や保育内容などニーズに合わせた形で保育施設を増やしていくことも考えなくてはなりません。同時に少子社会、人口減少社会であるということも十分に考慮した上で保育施設の増設を考えることも重要です。

しかしただ保育施設増設をすればいいということではないのは周知の事実であり、保育士の確保の問題に加え用地の問題も懸念事項です。

保育施設を増やすための施策はどれだけのニーズが将来にわたってあるのかということを把握することが先決であり、それを踏まえたうえでの優先順位は1保育士の処遇改善2保育士の確保3ニーズに合わせた用地の確保、と考えています。

4.保育士の処遇改善、および業務の負担軽減について

保育士は他業種に比べ給与水準が低く、また日々の業務負荷が高いといったことから、資格を保有していながら保育士として働いていない潜在保育士が多く存在しており、各自治体/保育園では保育士の奪い合いといった状況になっています。

4-1.保育の質と保育士の確保のために、保育士の処遇(給与や手当など)を改善することについて、考えをお聞かせください。また給与の引き上げを取り組みとして検討される場合は、どの水準まで引き上げるのが適切だとお考えですか。その場合は財源確保についてもお聞かせください。

ご回答

処遇改善は当然必要と考えます。内容は給与ベースの引き上げと現在行われている家賃補助制度を手厚くすることです。

厚生労働省の平成28年度賃金構造基本計画統計調査によれば保育士の年収の全国平均は326.8万円。保育士全体で考えたとき、この平均年収は手当等とのバランスも考慮せねばなりませんが、400万円は確保すべきであると考えています。

水準がこれより高いところも手当で補うだけでなく、一層の給与ベースの引き上げに取り組むべきと考えます。

引き上げる場合の財源について自治体は国への働きかけにより補助率のかさ上げはもちろんのこと、基本は徹底的な行政改革により捻出すべきですが、不足の場合は住民の皆さまに保育士の処遇改善に対しご理解をいただいた上で増税をお願いするほかありません。国の補助金の財源は行政改革は無論ですが、消費税が妥当だと考えます。

4-2.使用済みのオムツ持ち帰り問題では、衛生面での問題に加え、保育士がオムツの仕分けをする負担があると言われています。豊島区、文京区、三鷹市では今年の4月から埼玉県越谷市では2018年度中に使用済みおむつの持ち帰りをやめ認可保育園で処理する方針としています。使用済みオムツ持ち帰り問題について、考えに近いものはどれですか。

ご回答

■園で処理した方が良い
□保護者が持ち帰った方が良い
□わからない

4-3.4-2の回答について具体的な考えをお聞かせください。

ご回答

乳幼児を連れた保護者はただでさえ多荷物の場合が多いのに、持ち帰らせるのは衛生上の観点からも疑問です。処遇改善を行った上で現場に負担の理解を求めます。

4-4.保育士の労働環境改善について、その他区として取り組みたいことがありましたらお聞かせください。

ご回答

家賃補助は上限を国の補助基準額と実質的に同水準で行うが、区内に住むこと(もしくは既に住んでいること)を条件にさらなる上乗せを検討します。

5.保育園に関する規制緩和について

国が待機児童対策のために、地方自治体が保育の質を確保するために自主的に設けている規制を緩和し国の基準にあわせるように求めています。例えば、国基準は、1人の保育士がみる子どもの人数を「1歳児で6人に1人」などとしており、独自基準を持つ自治体にこの基準まで引き下げるように要請し、ほとんどの自治体が要請を受け入れなかったという事例があります。国が要請する規制緩和について具体的な考えをお聞かせください。

ご回答

国の緩和の基準の根拠が不明瞭であること。根拠があるからこそ基準があるのであって、自らの根拠を規制緩和の名のもとに崩すことは行政の信頼の崩壊につながります。

同時に保育園はただ「預かる」ことではなく「安全に預かる」ところであり「安心して預ける」ところであり、「健やかに育つ」ところでなければなりません。自治体や周辺環境ではなく子どものことを第一に考えて保育行政を進めていきたいと考えています。

6.未就園児家庭の支援について

保育園の入園申請が保留となり、未就園児を家庭で保育している世帯向けの支援が必要だという声があります。待機児童となった子供を家庭で保育する世帯への支援について考えをお聞かせください。

ご回答

現在の中野区では児童館廃止の方針ですが、これを見直します。児童館を存続し、従来の児童館機能に加え子ども総合相談窓口を設置します。また地域の子育て支援活動拠点の機能も強化するとともに未就園児親子教室等を開催します。

7.幼児教育無償化について

7-1.現政権が2017年12月8日に閣議決定した2兆円規模の政策パッケージの中に幼児教育・保育の無償化(約8000億円)が盛り込まれました。この幼児教育・保育の無償化についてあなたの考えに近いものはどれですか?

ご回答

□無償化すべき
□無償化よりも全入化
□無償化に反対
■その他

7-2.7-1の回答について具体的に考えをお聞かせください。

ご回答

無償化するなら0~2歳児も対象にすべきですが、政府の政策パッケージは3~5歳児を対象にしているので、その世代だけの無償化では格差が広がるだけであると考えます。また全入化は所得の高い都市部では重要ですが、地方には待機児童が少ない、もしくはいないところもあり、全体でみたときに果たしてその需要があるかは疑問です。

8.幼保一元化・保育園の選択的義務教育化について

幼保一元化は少子化の進行、育児サービスの多様化に伴って生じている幼稚園と保育園の抱える問題点を解決するべく、幼稚園と保育園の一元化を図ろうとする政策であり、2006年には「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」が制定され、幼保一体化施設として認定こども園制度が開始されました。静岡市では2015年から市立の保育園・幼稚園をすべて認定こども園に移行させるなど独自の取り組みをしています。また幼児教育の早期化が欧州を中心に海外でも注目されており、ハンガリーでは3歳からの義務教育を開始、フランスでも3歳からの義務教育化を検討しています。日本では社会学者の古市憲寿氏が「保育園義務教育化」を出版し、橋下徹前大阪市長と議論するなど話題となりました。このような子育て政策に関する抜本的な見直しについて、考えをお聞かせください。

ご回答

義務教育を語るとき、現在の社会の中で正しく義務教育を認識して話が進んでいない場合が顕著にあるので、まずは正しい認識の上で(子どもが義務で教育を受けるのではなく保護者が子どもに教育の機会を与える義務)義務教育をどうすべきかを議論する必要があります。

幼保一体は運用していろいろと良い点、改善点が見えてきたように思います。一つ言えることは分野(保育園・厚生労働省所管 幼稚園・文部科学省所管)というような考え方をそろそろ脱却して、もっと「子育て」という目的で考えるようにしていく必要があるように感じます。抜本的な改革というのなら今までの行政から見る子育ての押し付けではなく、多様化したライフスタイルに合わせる、子どもの育みを支える行政への切り替えがまず最重要であると考えています。

9.区立保育園の民間委託について

待機児童対策の一環で、私立保育園の受け入れ枠の拡大、預かり保育の拡大を実施していますが、今後区立保育園を民間へ委託していくという方向性の有無や、その他区立保育園の民間委託についての考えをお聞かせください。

ご回答

区内に2カ所ある区立幼稚園と20カ所ある保育園の民営化案は再検証し、不必要な民営化はしません。ただ民営化そのものを否定するものではなく、必要性があれば検討します。委託についても同様に必要性の有無を検討します。

 

ありがとうございました。