議会

議員報酬

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DSC_0681最近富みに話題になっている地方議員の政務活動費ですが、議員の給料月額に当たるものが議員報酬です。地方議員に支給される「議員報酬」の沿革と実態は?

『明治時代の地方議員は 「名誉職」 と明記 されていました。 しかし、 無給が原則である一方、 特例が設けら れており、 生業収入が妨げられることへの弁償、所謂、費用弁償が支給されていました。昭和22年、新地方自治法が制定されると地方議会議員の位置づけは、 従前のように「名誉職」と明記されませんでした。 現行法で公務員については、 名誉職制度は一般に認められていないことから、 現在の地方議会議員の職務は「非常勤の特別職公務員」 という位置付けであると解釈されているに過ぎません。 また、 戦後の制度刷新を契機に地方議会議員には報酬と費用弁償が支払われることになりました。 「名誉職」と規定されていたときは無報酬を建前としつつ実費弁償よりは過分ともいえる額が支給されることも多かったため、 費用弁償のほかに明確に報酬を支給する方が現実に適合するとされたのです

地方自治法第204条によりますと常勤の職員には労務への対価と共に、 生活給の要素を含 む 「給料」 を支給しなければならない。 とあります。一方、 非常勤の特別職公務員と解されている地方議会議員は、 地方自治法第203条第1項に基づき 「報酬を支給しなければならない」 とされています。 地方議会議員は、 非常勤職員に対しての給付、 すなわち生活給ではなく、 勤務量の反対給付、 任務の遂行に対する対価としての 「報酬」 が支給される。 このように解釈する根拠は、 前述 のように地方議会議員は、 過去において無給であり、 名誉職で非常勤であると性格づけられて いるところにその根拠があります。』 (レファレンス2007、6、地方議会議員の待遇、加藤眞吾氏文献引用) 

さて、昨今、地方議会においても議員の専門職化が進んでおります。特に都市部における議員の活動に要する時間が膨大で、常に議会棟において公務に従事する議員が増加する傾向にあります。中野区議会自民党議員の場合を例にとりましても、定例会閉会中にいても、午前8時半始業と同時に公務員同様、議会に登庁します。特に午前中は住民から寄せられる要望等を所管の管理職や担当者と検討し一定の方向を導き出します。また年度予算が的確に執行されているか常に目を見張り税金の使途に対し緊張感を保持します。新たな事業計画などがある場合レクチャーを受けることも日常少なくありません。事務(公務)作業が午後まで続くこともままありますが、このような議員活動の実態はあまり住民の皆さんにはほとんど理解されていないのが現状です。

それよりも、町中のイベントや街頭活動において大衆迎合的なパフォーマンスに徹する議員に人気が集中することに私は危惧の念を抱かざるを得ません。勿論、イベントや街頭活動等に私も必要に応じて参加はします。しかし議会においての日常事務を疎かにしていることはありません。話はそれましたが、このように議員活動が常勤化、職業化して来ますと当然にして兼業はほぼ不可能になります。また、常勤化する一方、反比例するかのように議員報酬は支給される額から。月々、税金、国保料、国民年金(議員共済年金は既に廃止)等差し引かれます。実質手元に支給される報酬額では子育て世代の方たちが地方議員職に就けなくなるのも昨今の傾向になりつつあります。領収書の添付が義務づけられる政務活動費を議員報酬の中に組み込む議論もこのような実態から生まれてくるのが現状です。議員報酬についてのあり方を検討するのが区長、副区長、教育長、常勤監査、議員の給料や報酬の適正額を審議するのが各自治体毎に設置されている「特別職報酬審議会」です。議員報酬のあり方は常にそこで審議されています。

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