議会

地方議会の政務活動費

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今日もちょっと硬い話をします。兵庫県議の政務活動費を巡る記者会見がメディアを賑わしています。都議会のセクハラヤジに続き、またまた、地方議会から恥ずかしい話題がメディアを通し配信されていることは、地方議員の一人として誠に憤慨です。そもそも政務活動費は首長から議会会派(一人の議員の場合も含む)に対し四半期毎に支給される補助金として予算措置されています。支給を受けた会派を構成する議員は、各議会が持つ使途基準に従って本来業務である立法活動に関わる調査研究費用として活用が出来ます。使途基準は中野区の場合、研究研修費、調査旅費(交通費)資料費、広報費、広聴費、会議費、人件費、事務費等、項目が設定されています。この使途基準に準じて支出されるのが普通です。ただし、政務活動費を支出する場合、大切なことは政務活動費が充当された金額に相当する領収書が収支報告書と共に議長宛に提出されなければならないことです、今回の兵庫県議には議長宛に提出された領収書やそれに見合った収支報告書の手続きに不備があったこと、支出目的が不明であることなどが号泣騒動の原因になっています。

そもそも政務活動費は支給された金額全額を支出する必要はなく、年度末において、剰余金が発生した場合はその金額を返還する事が原則です。また、使途基準に見合った支出や領収書等添付がされていない場合には支出金額の返還が求められます。その判断はすべて議長に委ねられていますから議長は常に目を見張っていなければなりません。また、議長を補佐する議会事務局も同様です。しかし一方、政務活動費の使途基準が各自治体議会によってまちまちであることに問題点があるとの指摘があります。独立した各自治体議会毎、昭和22年地地方自治法制定以来、長年にわたって議論の上、積み上げきた使途基準。せめて特別区(23区)だけでも統一した使途基準を求める声もありますが、そもそも議会の独自性に基づいて積み上げて来た政務活動費使途基準には乖離が生じて当然です。また、各自治体ごとに支給される政務活動費の金額にも大きな乖離があります。と特別区(23区)は全国の区市町の中でも高額な部類に入ります。より高度な議員としてのスキルアップを図る必要が東京特別区の区議会議員に求められている証左です。ちなみに中野区の場合は月額15万円、周辺区の新宿区、豊島区も15万円、杉並区が18万円、渋谷区20万円となります。特別区最高額世田谷区が24万円と、各区により異なるのが現状です。また、都道府県や政令指定都市の議会はより高額な政務活動費が補助金として支給されています。先述の理由からそれば当然の帰結とも言えます。

先に記した通り、政務活動費は自治体予算上では補助金に当たり、個人の所得に当たらず課税対象にはなりません。だからこそ使途基準に見合った支出がされること。その領収書と収支報告書が明朗に提出されること。これに反した場合は速やかに返還されることが義務づけられていると言っても過言ではありません。このような議員として弁えておくべき内容に反した兵庫県議の号泣する姿と、聞くに堪えない言い訳は言語道断です。一人の議員のこうした違法行為により地方自治体議会議員が一律同様に見られてしまうことは残念無念です。我々地方自治体議会議員は常に政務活動費の使途について適切なものであるかどうか自問する必要があります。

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